ドイツで初めての就職・・・右も左も分からない中、ドイツ人の総務や人事にドイツ語でまくしたてられ、何が分からないのかも分からずに会社生活が始まってしまった・・そんな経験はないでしょうか?
実際に勤務開始してみて、「あれの手続きってどうするんだっけ?」という問題が生じてくることは多々あります。後になって逐一確認するよりも、研修時にまとめて聞いておきたいところ。
本稿ではそんな「最初に聞いておくとドイツの社会人生活が捗る」質問集をまとめていきます。
※前半にあたる本稿では「人事関連」で聞くべき質問を10選定します。後半では「総務・経理」関連での質問事項について取り上げています。
人事関連編
1)有休申請時のルール
ドイツで働いたことのある人なら誰もが経験のあるはずの「有休申請」。会社ごとにルールが異なるので、申請に際して手間取ること間違いなしの項目の一つです。具体的に「誰に」「いつまでに」「どのように」承認が必要なのか、少なくともこの3点については確認が必要です。
また、試用期間中の有休消化の可否や、繁忙期における有休申請ルールなども会社ごとに異なるので、自分でプロセスがイメージしやすいように質問しておきましょう。
聞くべきポイント:
- 誰に申請すべきなのか(人事部、直属の上司、等)
- いつまでに申請すべきなのか
- どのようなプロセスで申請すべきなのか(メール、書面、システム、等々)
2)病欠のルール
有休申請はまだ余裕をもってスケジューリングすることが多いですが、病欠は突然やってくるもの。いざ熱が出て頭が朦朧としている時に「どうやって申請するんだっけ!?」と慌てるより、オンボーディングの際に病欠時の申請方法を確認しておくとよいでしょう。
大きく会社ごとに異なる点として「AU(Arbeitsunfähigkeitsbescheinigung):医師の診断書」をどのタイミングで提出するのか、が挙げられます。法的には病欠3日目から医師の診断書の提出義務が生じますが、会社の独自規定によって病欠1日目からの提出を求めるところもあります。
また提出方法に関しても、社内システムでアップするのか、古風な原本郵送なのか、など注意が必要です。
聞くべきポイント:
- 誰に申請すべきなのか(人事部、直属の上司、等)
- どのようなプロセスで申請すべきなのか(メール、電話、等々)
- 医師の診断書はどのタイミングでどのように提出すべきか
3)残業や休日出勤のルール
ドイツ社会は「残業」に対して厳しい視線を向けている文化でも知られています。日本の会社のように「なんとなく今日は仕事が終わらなかったので残業しちゃおう」では済まされません。
ドイツの法規定には一日の労働時間や休憩時間が厳格に定められているため、人事部としても勝手に残業をされてしまうと法に抵触する危険があり困るのです。
とはいえ、実務上どうしても「残業」や「休日出勤」が必要な場面が出てくることでしょう。その際「誰に(人事部?直属の上司?)」に「いつまでに」「どのように」申請や許可を得る必要があるのか、確認しておきましょう。
聞くべきポイント:
- 誰に申請すべきなのか(人事部、直属の上司、等)
- どのようなプロセスで申請すべきなのか(メール、電話、システム、等々)
4)勤怠管理の方法
会社ごとに従業員の労働時間管理方法が異なります。デジタル・タイムレコーディングを採用している会社もあれば、信頼労働時間制といって個人の裁量に任せている会社もあります。
例えば製造現場などは工場のラインが決まっているため、厳格なタイムレコーディングシステムが用いられていることが多いですが、営業やマーケティングのように対外折衝の多い部署では自身の裁量に任されることが多いと言えます。
聞くべきポイント:
- 勤怠管理はどのようにおこなうべきなのか
- 自身で管理する場合、誰に提出すべきか
5)フレックスタイム・コアタイム
上記の勤怠管理と併せて確認しておきたいのが、自身の勤務時間はフレックスなのか、それとも定められた時間通りに厳格に管理する必要があるのかという点です。フレックスの場合でも、早朝・深夜問わずいつでも良いというわけではなく、実際には「朝の7時~夜の7時まで」のように範囲が設けられていることが多いです。
聞くべきポイント:
- フレックス勤務は可能か
- フレックス勤務時のルール
6)フィードバックと人事評価
ドイツの会社の人事評価は個々の社員ごとに行われることが多く、特に職能や勤務期間に応じて年初に設定されます。昇給やボーナスは勿論、場合によっては「試用期間(一般的に半年間)」中に契約が打ち切られるかどうかの指標も設定されていることが多いため、はっきりと定量化した判断基準を明確にしておきましょう。
またドイツの会社の場合、上司が手取り足取り教えてくれることが少ないため、自身のパフォーマンスを客観的に評価してもらうためにも、定期的にフィードバックをもらえるかなども相談しておくと良いでしょう。
聞くべきポイント:
- 試用期間内で契約を切られないための明確な指標はあるか?
- ボーナスを受け取るための指標はあるか
- フィードバックをお願いすることはできるか
7)メンター・相談事
上記のように仕事内容に関連したフィードバックとは別に、会社内での不安やいじめ、パワハラなどに遭遇した際の相談窓口も人事に確認することができます。社内に「Betriebsrat(事業所委員会)」を設置している企業もあり、その場合は雇用主から独立し社員の立場を守る存在として機能しています。
最終的な手段は弁護士や労働組合といった社外のコミュニティへの相談も考えられますが、まずは話し合いで解決できるかどうか、穏便に済ませることが可能かどうかを判断するためにも社内のホットラインの存在を確認しておきましょう。
聞くべきポイント:
- Betriebsrat(事業所委員会)等への相談方法
- メンタル面での問題などを抱えた場合誰に相談すべきか
8)副業
副業しても会社に通知などがいくわけではないため、一般的に「副業」がOKと見なされているケースは多いと言えます(ドイツの会社員の約5%が副業アリ)。
もっとも、副業を行う場合にも本業と合わせた労働時間の管理が必要になってくるので、人事部としては「先に相談してもらえると安心」であるケースが多いでしょう。また、業界によっては秘密情報が多いため、そもそも副業禁止、あるいは同業種での副業禁止、といった会社も散見されます。
もし将来的に副業を考えている場合、併せて聞いておきましょう。
聞くべきポイント:
- 副業は可能か
- 可能だとしたら、どのような条件下で可能か
9)セミナーや研修情報
ドイツの会社の場合、日本のように放っておいても会社から研修やセミナーのお誘いが来ることは少なく、自分で情報を取りに行って自分で申し込むシステムとなっています。
とはいえ、入社したばかりの状況ではそもそもどこからそうした情報を仕入れたら良いかも分かりませんし、興味のある研修などを見つけてもどのように申し込んだら良いのか分からない事でしょう。
申し込み方そのものもそうですが、アップデートされていく研修情報をどこで確認すればよいのか、といった基礎的な質問も投げかけてみましょう。
聞くべきポイント:
- セミナーや研修情報はどこでアップデートされているのか
- どのように申し込むのか
10)ホームオフィスと出勤頻度
コロナ禍以降ドイツではホームオフィス勤務が浸透するようになりました。もっとも、フルホームオフィス勤務を可としているようなIT企業もあれば、原則毎日出勤を義務付けている製造業のような現場もあり、その温度感はまちまちです。
また、ホームオフィスを認めている会社の中にも、インターネットの回線速度やホームオフィスの環境などについて規定が設けられていることが多く、どこでも気軽にデジタルノマドのように仕事ができるわけでは無い点に注意が必要です。
求人票に「ホームオフィスOK」と書いてあっても、そのホームオフィスの定義は会社ごとに異なるので、「可能なのか」「どれくらいの頻度で可能なのか」「回線速度などの条件面」など改めて人事部に確認しておきましょう。
聞くべきポイント:
- ホームオフィスは可能か?
- どれくらいの頻度で可能か?
- 自宅の条件などはあるか?
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