ドイツで働いているが、風邪に罹ってしまってオフィスに出勤できない、ぎっくり腰で3日間安静にするように言われた、、、こういった「病欠」の経験はないでしょうか?
ドイツでは病気やケガの際には「無理して働かない」ことが当たり前の文化で、この病気や怪我の際には正しいプロセスで申請すれば有給消化せずに休みを取ることができます。逆に、正しい手順を経ないと最悪の場合無断欠勤と見なされてしまうことも。
本稿では、ドイツでの病欠申請の流れについて詳しく解説していきます。
ドイツの会社で病欠を用いる場合
朝起きたら喉が痛くて話せない、咳が止まらない、熱でまともに動けない、、、
こうした状況で無理に職場に行っても、自身の体調を悪化させ、自分のチームを感染の危険にさらしてしまうだけなので、むしろ「休むこと」こそが仕事と見なされます。
さてこのように、今日は仕事ができないと判断してから最初におこなうのは「Krankmeldung(病欠連絡)」です。この病欠連絡の方法は会社ごとにルールが異なるため、就業規則を参照するか、オリエンテーションの時点でやり方を質問しましょう。
一般的には、直属の上長に電話連絡することで「病欠連絡」と見なされる会社が多いです(会社によってはメール、社内チャット等でもOK)。
| ステップ | 行動 | 期限 |
|---|---|---|
| ① | Krankmeldung(病欠連絡) | 当日朝までに |
| ② | AU(医師の証明書)取得 | 3日目以降(一部の会社では1日目から) |
| ③ | AU提出(雇用主+保険会社) | 4日目までに提出 |
| ④ | Entgeltfortzahlung(給与継続) | 最大6週間まで |
| ⑤ | Krankengeld(健康保険給付) | 7週目以降 |
| ⑥ | Gesundmeldung(回復報告) | 復職前に |
手順① 直属の上司(または人事)に連絡
この際、無理に「病気の内容」を細かく説明することはドイツでは義務ではありません。
ただしどれくらいの期間病欠になりそうか、推測がつく限り伝えておくのがベターです。また、自身の病欠時に代行してもらいたい緊急の業務なども、可能であればこの際上司に伝えておきます。
手順② かかりつけ医へ行く
勿論病気の診察に行くことも目的ですが、会社に提出する「Gelber Schein(Arbeitsunfähigkeitsbescheinigung)※以下AUと略」を取得することが目的です。AUとは、病欠を証明する医師の診断書のことで、ドイツの労働法では3暦日以上の病欠の場合はこの診断書の提出を義務付けています。
| 病欠日数 | AUの提出義務 |
|---|---|
| 1~2日 | 法的義務はない(※企業によっては提出を求める) |
| 3日以上 | 法的義務がある |
もっとも、この「3暦日」というのは労働法の規定であり、企業によっては1~2日の病欠であっても提出を求めることがあります。これらは多くの場合就業規則などに明記されているため、確認が必要です。
手順③ AUを会社に提出する
AUの提出のデッドラインは、病欠開始日から数えて4日目です(※雇用主と健康保険会社への通知が必要ですが、多くの場合健康保険会社へは自動で通知される)。
古風な会社では「原本郵送」とするところもあれば、新しい会社ではオンラインでの申請を認めているケースがあり、会社によって規則がまちまちです。こちらも就業規則を確認しておきましょう。
ただし、かかりつけ医が休みであったり、外出できないほど体調が悪かったり(この場合はオンライン診療も可)、混んでいて取得が難しかったり、といった場合では遅延の理由を明確にすることで会社側が認めてくれることもあります。
※手順④ 6週間目まで 雇用者が給与負担
さて、ここからは病欠が長期化した場合のケースです。
一般的な雇用契約の場合であれば、6週間目までの病欠に対して企業側が給料を100%負担してくれます。
注意しなくてはいけないのが、AUの有効期間は一般的に2週間なので、2週間を超えての病欠申請の場合は何度も医師を訪問してAUを取得する必要があるということです。
この際に一度でも空白期間が生じてしまうと病欠証明ができなくなり給与負担されないリスクがあるので、かならずAUは空白期間が生じないように慎重に取得し続けましょう。
※手順⑤ 7週間目以降 健康保険からの傷病手当に移行
ここからは更に病欠が長引いたケースです。
7週間目を過ぎると、会社側からの100%給料支払い義務が外され、以降の給料は70%が健康保険会社からKrankengeld(傷病手当金)が支払われることとなります。この場合も同様に、AUを提出し続ける必要があります。
この傷病手当金の上限はドイツ労働法によって最大78週間(3年間のうち)と記載されているため、更にこれを上回っての病欠となると障害年金などに移行することとなります。
※手順⑥ 復職
さて、病気が長期化した後に会社に復帰する場合、今度は「復職」のための手続きが必要になります。要するに「私の病気はよくなったのでもう働けます」といった内容を証明する必要が出てくるのです。
数日程度の病欠なら上司への連絡で事足りることが多いですが、長期化した病気の場合は医師による「Endbescheinigung」を人事部に提出することがあります。
現地在住の就職コンサルタントがあなたのドイツ就職を全面サポート。まずは無料登録からお気軽に。コンサルタントからご連絡させていただきます。

