欧州中央銀行の本拠地でもあることから、欧州金融の中心地の一つとも言われる「フランクフルト」。ドイツの首都はベルリンですが、金融面の首都はフランクフルトと考えられており、キャリアアップやビジネスチャンスを目指す際の魅力は欧州の中でも上位に名を連ねるでしょう。
そんなビジネスセクターの中心から外れると、自然豊かなマイン川や中世の色合い残る旧市街、そして郊外にはゲーテも愛したドイツの自然が残り、生活環境としても実は非常に高評価。
そんな公私ともに生活水準の高いフランクフルト、当然欧州のみならず世界中の移民から高い評価を得ている都市として、求人の競争率も決して低くありません。
そんなフランクフルトで就職するチャンス、そして生活環境等について解説していきます。
フランクフルトってどんな都市?
フランクフルトが欧州経済の中心の一つと言われるのは、今に始まったことではありません。地理的にヨーロッパの中心に位置するフランクフルトは北欧や西欧の十字路として交易も盛んで、神聖ローマ帝国の時代から皇帝選挙が実施されるなど、政治的にも特別視されてきました。
近代史の中で特にフランクフルトが金融都市としての特徴を色濃く強めた背景として、ユダヤ人ネットワークの存在が挙げられます。もともと欧州随一のユダヤ人街をもっていたフランクフルトは、ユダヤ人による金融業で経済的なプレゼンスを高めていき(※キリスト教文化では利子がタブー扱いされていたため、金融業はユダヤ人が特にアドバンテージを持っていた)、特に18~19世紀になるとロスチャイルド家の台頭によって一躍世界的なネットワークに拡大することとなりました。

第二次世界大戦後にドイツが東西に分断されたことも、フランクフルトのプレゼンスを増すことに貢献します。東ドイツ領に孤立していたベルリンではなく、西側諸国とのコミュニケーションが容易なフランクフルトが経済の中心として選ばれ、多くの多国籍企業が進出することとなったのです。
現代でもその「金融の中心」としての性格は色濃く残ります。欧州中央銀行をはじめ、証券会社や銀行の本社ビルが立ち並ぶビジネス街。オフィス街には多言語が飛び交い、国境を越えたビジネスの意思決定がこの都市でなされます。ドイツ人にとっては勿論、ヨーロッパ人にとっても「フランクフルト」は憧れのビジネス都市というわけです。

金融都市としてのフランクフルトは、ドイツの中でも物価の高い都市としての側面も持ちます。特に家賃はデュッセルドルフと比べると比較的高い水準にあることから、他都市に比べてやや可処分所得を圧迫することが報告されています。もっとも、中心街はともかく少し郊外までいけば比較的広く賃料の安い物件も軒を連ねており、給与水準も他都市に比べて高いことから、余裕のある生活水準を保つことは十分可能です。
| 都市名 | 家賃 €/m² | 年収 € | 可処分所得 € |
|---|---|---|---|
| München | 24,42 | 50.000 € | 35.467 € |
| Frankfurt am Main | 21,27 | 50.250 € | 25.394 € |
| Berlin | 19,09 | 48.250 € | 23.952 € |
| Stuttgart | 18,86 | 50.250 € | 29.202 € |
| Hamburg | 20,10 | 52.000 € | 27.498 € |
| Düsseldorf | 16,28 | 47.250 € | 29.355 € |
また、フランクフルトの最大の魅力はその「交通インフラ」です。ヨーロッパでは数少ない日本への直行便を持つ都市であり、日本以外にもアジア、ヨーロッパ、中東の主要都市のほぼすべてに直行便を持つことから、仕事でもプライベートでも、国境を越えたダイナミックな移動が容易です。

日本人とフランクフルトでの求人
そんな欧州経済の心臓とも呼べる重要都市のフランクフルトですが、日本にとってもフランクフルトが重要であることに変わりはありません。東西冷戦の時代から、デュッセルドルフ、ミュンヘンと並んでフランクフルトもまた日系企業の欧州拠点として重要な役割を担ってきました。
2026年現在、フランクフルトには実に300社近い日系企業が進出しており、電車で1時間強の距離に位置するデュッセルドルフと合わせると、それだけでイギリスの日系企業数を上回ることとなります。日本食レストランや日本食材店も多く、ヨーロッパにありながら日本との文化的な距離を感じずに生活することが可能な数少ない都市の一つと言えるでしょう。
| 都市名 | 日系企業数 | 在留邦人数 | 主な業種 |
|---|---|---|---|
| ベルリン |
123社
|
4,000〜5,000人 |
IT
スタートアップ
|
| デュッセルドルフ |
640社
|
6,000〜7,000人 | |
| ハンブルク |
147社
|
1,500〜2,000人 |
日系メーカー
物流
|
| フランクフルト |
300社
|
4,000〜5,000人 |
日系メーカー
金融
|
| ミュンヘン |
692社
|
4,000〜5,000人 |
出典:外務省統計
なぜこんなにも日系企業の数が多いのでしょうか?
フランクフルトに拠点を持つ日系企業は、ドイツのみならず、欧州全土のマーケットを管理する役割を担うことが多いと言えます。欧州交通インフラのハブであり、ほぼすべての国に直行便で向かうことのできるフランクフルトは、迅速な意思決定に重きを置く欧州ビジネスにおいては非常に重要な拠点。
日系企業がヨーロッパでのプレゼンスを高めるうえで、フランクフルトという都市の持つ重要性は無視できない存在です。こうした欧州本拠地としての役割を持つ日系企業では、英語の堪能な日本語人材の現地採用需要があり、営業、貿易、製造、マーケティング等、ダイナミックな仕事内容をもつ仕事に挑戦することが可能です。ドイツ国内にとどまらず、欧州各国を股にかけた求人を探すには正にうってつけの都市と言えるでしょう。
日本人がヨーロッパで就職することは、一般的に「難易度が高い」と言われています。言語や文化の壁もそうですが、何よりEU域内ではEU人材の採用が優先されるため、同じスペックであれば人事部は日本からの候補者ではなくEUの候補者を採用する傾向にあるからです。
ただし、デュッセルドルフやフランクフルトのような日系企業が展開している都市となると話は別です。こうした在独日系企業は、日本とドイツの仕事文化双方に精通している人材を求めることも少なくないため、日本とゆかりの深い人材が採用される可能性が高まる傾向にあるのです。
当社Career Managementは1999年にフランクフルトで設立され、これまで一貫してフランクフルト地域専任のキャリアコンサルタントも抱えており、ドイツ就職のエキスパートとして25年以上人材斡旋に携わってまいりました。お仕事探しの過程においては、地域での生活等、ご不安な点に関してもお気軽にご相談ください。
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