社有車の取り扱い、スマホのパスワード、機密情報保護・・ドイツの会社には「知らなかった」では済まされない常識が多く存在します。

そんな中でも特に会社ごとに取り扱いが厳しく、新人研修で聞いておかないと後悔するような10の質問を紹介していきます。

※後半にあたる本稿では「総務関連」で聞くべき質問を10選定します。前半では「人事」関連での質問事項について取り上げています。

総務・経理関連編

1)社有車の使い方

多くの会社では、社有車をプライベートでも用いることが認められています(※ドイツの社有車ルール参照)。もっとも、法的に義務付けられているわけではなくあくまで会社が福利厚生の一環として提供しているケースが多いので、そもそも個人利用可能か、可能であればどのようなルールがあるのかを明確にしておきましょう。

問題になりやすいポイントとしては、運行記録をつける必要があるのか(税制によって異なる)、私的旅行に使用可能か、月の走行距離の上限は何kmか、などの点で、特にリースを用いている会社が多いため、走行距離は超過すると社員負担になってしまうことが少なくありません。

聞くべきポイント:

  • プライベートでの利用可能か
  • 運転記録をつける必要があるか
  • 給油の記録方法、等々

2)社食・弁当の注文

会社によっては社員食堂が設置されており、社員証を用いて購入することが可能です。利用時間や片づけのルールなどに加え、現金が使えない場合はどこで社員証にお金をチャージできるのかなどの確認が必要です。

社食が無い場合、弁当のデリバリーを社員まとめて注文している企業もあります。その場合、何時までに誰にオーダーすればよいのか、飲食可能なスペースはどこか、などの確認も必要です。

聞くべきポイント:

  • 社食の使い方(支払い方法等)
  • 弁当発注の仕方
  • 飲食OKの場所の確認

3)会議室の予約

社内外を問わず会議室を利用してのミーティングは少なくありません。特に大事な取引先とのミーティングなどでは、できればケータリング等も利用してもてなしたいところ。

会議室の予約はオンラインの企業もあれば、総務部などに依頼が必要な場合もあります。また、ケータリングやプロジェクターなどは自動で勝手についてくるわけではなく、予約時に申し込まないと提供してくれないケースが多いので注意しましょう。

聞くべきポイント:

  • 予約の具体的な方法
  • ケータリングの申し込み方法
  • プロジェクターの申請や使い方

4)ごみ・シュレッダー

ドイツでは一般家庭でもゴミが厳しく選別されますが、オフィスにおいても同様です。どのゴミ箱に何を捨てて良いか、サンプル品の廃棄など大きなゴミはどうすれば良いか、個人情報が含まれるゴミのシュレッダー処理の方法等、細かく聞いておく必要があります。よくある事例として、ゴミの分別を間違えたことで個人レベルでも法人レベルでも罰金が請求されています。

また、ドイツ社会では個人情報の取扱いが厳しく、シュレッダーにかけることを怠って「重大な過失」と見なされた場合懲戒解雇のケースも考えられます。実際に廃棄したと思った書類が風で流されて重大な機密漏洩に発展した事例もあるので、会社と自身を守るためにも廃棄には注意しましょう。

聞くべきポイント:

  • ゴミの分別方法
  • 企業秘密などを含むゴミ(書類)の処理方法

5)経費処理・申請のルール

特に営業等の場合、接待費、交際費、交通費など日常的に経費を用いる機会が出てきます。日本と同じ感覚で何でも経費申請に回していると、経理部から怒られることもあるので注意が必要です。

ドイツの場合レシート提出が大前提のため(写真でも可)、高額レシートは必ず紛失を避けなくてはいけません。また合理性が求められるため、移動に際して会社に無断で一等車やファーストクラスを用いることはできません(あるいは、後から経費として認められないことも)。

聞くべきポイント:

  • 経費申請の締め切りと申請方法(原本?メール?システム?)
  • レシートの記名、住所、等
  • チップ支払い時の取り扱い、等

6)出張のルール

ドイツの会社に勤めていると、職種によっては、国境を感じさせないほど近隣諸国への出張が多く発生します。こうした出張の際にも、勝手に飛行機やホテルを予約して良いわけではなく、総務部などを通じて定められたルールに従って申し込む必要があります。

多くの会社では旅行代理店と契約しているため、それらを通じて最適なプランで申請することが一般的です。その際には、海外旅行保険の有無や内容、使用可能なクレジットカード、現金両替のルール、海外でのスマートフォン利用条件なども事前に確認しておきましょう。

聞くべきポイント:

  • 出張の申し込み方法(誰に申請するのか)
  • 海外旅行保険の申請方法(ケガや病気の際の対応)
  • 現地で使用・両替する現金のルール
  • 出張後の立替金の精算方法、出張手当の受け取り方

7)備品の使用ルール(コーヒー、ボールペンなど)

倹約で知られるドイツ。その気質は会社内にも反映されており、会社の備品であっても細かなルールが定められているケースが多く見られます。特にボールペンやステープラーの芯などを無尽蔵に使用していると、注意を受けることもあるため気をつけましょう。

また、必ずしも総務部の管轄とは限りませんが、共用スペースに設置されているコーヒーマシンやお菓子などについても、使用ルールが定められている場合があります。会議時のみ使用可、来客時のみ使用可など、会社ごとのルールを事前に確認しておくことが重要です。

聞くべきポイント:

  • 備品を使用・補充する際は誰に申請すればよいか
  • コーヒーやお菓子などの使用ルール(使用可能なタイミング・目的)

8)郵便の使用ルール

IT化が進むドイツ社会ですが、比較的旧式な会社では、いまだに原本郵送による手続きが行われているケースも少なくありません。特にメーカーなどでは、サンプル品の発送を社内向け・社外向けに分けて郵送することが多く、社内便、国内便、国際便をどのように使い分けるのかを把握しておく必要があります。

一般的には、社内に郵便倉庫や発送用フォルダーが設けられており、「何曜日の何時までに所定の場所に置いておけば自動的に回収される」といった明確なルールが定められています。締め切り時間を過ぎると翌回扱いになることもあるため、注意が必要です。

聞くべきポイント:

  • 社内便・国内便・国際便の発送および受託方法
  • 具体的に何曜日の何時までに、どこへ置けばよいか

9)施錠と緊急時の対応

会社全体や自分のオフィスなど、施錠が必要となる場面は少なくありません。施錠ルールは会社ごとに異なり、休日や夜間にはセキュリティシステムが作動するため、許可なく立ち入ると大きなトラブルになる可能性もあります。

また、万が一鍵を紛失した場合の対応方法についても、事前に確認しておくことが重要です。緊急連絡先や対応フローを把握しておくことで、不要な混乱や責任問題を避けることができます。

聞くべきポイント:

  • 施錠の方法と基本ルール
  • 夜間や休日にどうしてもオフィスに入る必要がある場合の手続き
  • 鍵を紛失した場合の連絡先と対応方法

10)クレジットカードの使用ルール

ドイツ企業では、出張や業務上の支払いにおいてクレジットカードの使用が求められる場面が多くあります。ただし、会社支給のカード(コーポレートカード)と個人カードとでは扱いが異なり、使用目的や精算方法について明確なルールが定められているのが一般的です。

特に注意すべき点として、私的利用の可否、利用可能な支出項目、利用上限額、明細提出の方法などが挙げられます。ルールを理解しないまま使用すると、経費として認められないだけでなく、社内規定違反となる可能性もあるため注意が必要です。

聞くべきポイント:

  • 会社支給カードと個人カードの使い分けルール
  • 使用可能な支出項目と利用上限額
  • レシート・利用明細の提出方法と期限
  • 紛失・盗難時の連絡先と対応方法
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