貿易上、齟齬が生じるとトラブルに発展することの多い「注文確認書」の、ドイツにおける捉え方に関しての解説です。

英語     Order Confirmation/OC

日本語    注文確認(書)

ドイツ語   Auftragsbestätigung/AB

解説

以前解説した「Purchase Order」と対をなす概念で、買い手からの発注に対し、売り手がその確認のために(一般的には書類の形で)送る書類のことを指します。原則的には、買い手が発注し、売り手がそれに対し注文確認を為すことで売買契約が成立、契約履行の義務が発生する形となります。

企業ごとに標準化されたフォーマット(システム上で管理されるもの)を使用することが常で、両者間の誤解を防ぐため、以下のような内容が盛り込まれています。

  • 製品番号とスペック
  • 価格
  • 数量
  • 支払い条件
  • 引き渡し条件
  • 引き渡し日
  • 運送・保険費用等その他諸経費

特に、貿易実務において「引き渡し条件」や「支払い条件」は度々トラブルの原因となることが多く、必ずAuftragsbestätigungに金額とともに明記されてある必要があります。買い手によってはCIF(荷揚げ地までの運送費用込)での条件を期待していたが、実際には工場渡し価格だった、頭金30%のつもりだったが50%だったなど、双方の齟齬はこの書面の確認段階によって改めて明確化される必要があります。Auftragsbestätigungの発行以降、売り手には契約履行義務が発生するため条件のすり合わせは難しくなることから、不明点がある場合は発行前に営業担当や顧客との間で確認しておきましょう。

よくある誤解として、この金額の記載されたAuftragsbestätigungをインボイスを見なす買い手もありますが、実際には文書内で特別な規定(すなわち、同書面をもってインボイスと見なす、といったような記載)がない限り、Auftragsbestätigungとは別途インボイスが発行される必要があります。