ドイツの貿易実務に携わる際に必要となるフォワーダーの役割・定義について解説をおこないます。
英語 forwarder
日本語 フォワーダー/貨物利用運送事業者
ドイツ語 Spedition
解説
Speditionの理解は基本的には日本語の「フォワーダー」と同じです。もっとも、日本では(島国のため)フォワーダーといえば基本的に船、飛行機による物品の国際輸送をおこなう事業者を指し示すことが多いですが、ドイツにおいてはトラックや鉄道といった陸運における事業者や国内運送も含まれる、という違いがあります。
フォワーダーの業務内容は多岐に渡り、どこまでが出荷元企業(輸出元)の、どこまでがフォワーダーの職能としてカバーされているかはその企業やパッケージ内容、業界によって異なります。メインの業務は貨物の輸送ですが、集荷、運送保険(海上保険)の手配、積み荷の保管、通関処理など、輸送に携わる業務をフォワーダーがおこなうこともあります。
船会社=フォワーダーと誤解されることもありますが、フォワーダーが自身の輸送手段を持っていることは少なく(特に海上運輸の場合)、フォワーダーはあくまで輸送の手配や中間管理を任せられる立ち位置にあります。
大手から中小、日系、ドイツ系、その他欧州系など、日本とドイツを結ぶ航路だけでさえ多くのフォワーダーがひしめいており、具体的にどのフォワーダーを利用するかは、以下のような要素に左右されがちです。
フォワーダーによっては:
- 得意とする業界がある(冷凍、危険物、精密機器、等)
- 得意とする航路がある(北米、欧州、等)
- 航路、空路、陸路の強みがある
- 混載便を得意とする
- 価格は高いが保管や梱包などのサポートが行き届く
- 価格は高いが多くの国に支店を持っており、集荷から客先まで一本化したサービスをおこなえる
- 価格は安いが船会社との連携が弱く、欠航などのトラブルに対応できづらい
- 特定の国における通関業務を得意とする
といった得手不得手があるため、一概にどのフォワーダーを選べばよいかは個々の条件によって異なります。基本的には3~4社に合い見積もりを取り、「納期」と「価格」から自社の状況に適したフォワーダーを選択する形になります。