日本からドイツ就職③ ドイツ渡航前の住民票、健康保険等手続きの注意点

2020-02-12 | タグ:

前回のコラムでは、ドイツ渡航前に準備するべきビザの種類や、持ち物に関してまとめました。

今回は、いよいよ本格的な渡航前準備についてまとめていきます。ドイツに渡航する前に、国内でしておかなくてはいけない役所的な手続きがいくつか存在します。

有効な身分証明書に関して

ドイツ在住中、自身の身分を明確にする証明書は基本的に「パスポート」です。ドイツ滞在後にビザ、運転免許などの公的書類を取得する場合も、このパスポートを保持していることが大前提となるため、パスポートの紛失、有効期限切れに関しては一層の注意を要します。

パスポートの残存期限の確認

ドイツの滞在許可証、ビザを申請する際、原則としてビザの有効期限の上限は、手持ちのパスポートの残存日数に応じて定められます。

例えば、パスポートの有効期限が2020年6月1日までの場合、仮にドイツに2021年1月31日まで滞在したい場合でも、発行されるビザの有効期限は2020年6月1日が限度になります。

そのため、ドイツに1年を超えての滞在を計画し、かつ手持ちのパスポートの有効期限残存日数が1年を切っている場合、ドイツ渡航前に日本でパスポートの更新をしておいたほうが、渡独後に何度もパスポート・ビザ申請をする必要がなくなります。

チェックポイント

  • 発行されるドイツ滞在ビザの限度期間はパスポートに基づく
  • そのため、パスポートの残存日数が1年を切っているような場合、延長しておくことを推奨

運転免許証の有効期限の確認

日本国内で運転免許証を保持している場合、5年ごとにパスポートの更新が必要になります。更新の際にドイツにいる場合、免許証更新のためだけに日本に帰ってこなくてはいけなくなるため、それを避けるために「海外旅行、出産等の理由による更新期間前の更新手続」という手続きを行うことが可能です。

その場合、自身が更新日に日本にいないことを証明するため、パスポートや航空チケットを更新の際に持参する必要があります。

また日本で有効な運転免許証は、ドイツ渡航後、長期滞在を前提として試験無しでドイツの運転免許証に書き換えることが可能です。特に、ドイツで就職する場合運転が必要とされる場面も多いため、日本で十分な有効期限を有した免許証をドイツに持参しましょう。

チェックポイント

  • ドイツで車を運転したい場合、免許証の書き換えを行う必要がある
  • その場合、日本で有効な運転免許証が必要なため、十分な有効期限を有した免許証を持参することを推奨

住民票の抹消手続き

日本国内に居住する場合、日本で住所のある市町村に「住民票」が置かれることとなります。一度日本を離れ、海外に長期間(一般的には1年以上の海外滞在を企図する場合)滞在することとなると、基本的にはこの住民票を抹消する手続きを行います。

住民票の抹消には多くのメリットがある一方で、健康保険や年金、住民税と紐づいているため、手続きにはいくつか注意すべき点があります。

海外転出時に住民票を抜くことのメリットは、主に以下の3つが挙げられます。

  • 住民税を支払う義務がなくなる
  • 国民健康保険が義務ではなく任意加入となる
  • 国民年金の支払いが義務から任意加入となる

住民票抹消手続きは、海外渡航前の2週間前から管轄の市町村にある役所で受け付けてもらうことが可能で、手続きを忘れても後程修正手続きを行うことができます。

健康保険

国民住民票を抜くことの大きなメリットの一つが、日本に居住する場合に義務である国民健康保険の加入及び保険料支払いの義務がなくなることです。

住民票を抹消しても、保険料さえ払い続ければ加入し続けることも可能ですが、ドイツ滞在ビザを取得する場合、基本的にドイツ現地で別途医療保険に加入する必要があり、全額医療費を免除されるケースが多いため、日本の健康保険に加入し続けるメリットはそこまで多くありません。

ただし、住民票抹消のタイミングに関しては少し注意が必要で、例えば日本で以前まで勤めていた会社を退職した日からドイツ渡航までの期間が長く、その間に日本で歯科治療等を考えている場合、一時的に任意継続制度を利用して前職の健康組合に加入するか、居住する市区町村の国民健康保険に加入する手続きを行う必要があります。

国民年金

国民健康保険同様、日本在住者であれば義務である「年金の支払い義務」が、海外在住の場合免除されます。ドイツ滞在中の年金支払いをストップする場合、住民票抹消の際に別途年金窓口で手続きを済ませます。

ただし、年金を支払わない選択をする場合は海外在住中の年金の支払いがストップするため、将来日本で受け取れる年金の額が少なくなる点に注意が必要です。そのため、中には海外滞在中も年金の支払いを継続する選択を行う方もおり、その場合では、同じく年金窓口において海外在住中の支払い方法を設定します。

また、日本とドイツは社会保障協定を結んでいるため、日本の老齢厚生年金を受給するための期間(25年)は、ドイツで年金を支払った年数と合算することが可能です(出典:在デュッセルドルフ日本領事館)。

まとめ

最後に、本稿のおさらいです。ドイツ渡航前には、以下の点に注意する必要があります。

  • パスポートの有効期限の確認
  • 運転免許証の有効期限の確認
  • 住民票の抹消

これらの確認を終え、前回のコラムで紹介したようなビザにまつわる事前準備を終えたら、いよいよドイツへ出発です。

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