より良いキャリアや賃金水準を求め、ドイツには多くの移住者が生活しています。短期的・長期的にドイツに滞在する外国人の数は約1400万人程度と言われており、人口の約15%に相当します(※日本の在日外国人数は2~3%)。
こうしたドイツ移住者は多くの場合、ベルリンやフランクフルトのような就職に有利な大都市を選択する傾向にあります。一方、こうした大都市は生活物価が高かったり、治安が悪かったりと、必ずしも外国人の多い都市=住みやすい都市であるわけではないことに注意が必要です。
本稿では、ドイツ国籍以外の人からみたドイツの都市の住みやすさランキングをご紹介していきます!(※作成に当たり、海外在住者専用プラットフォームとして有名なInternations社のデータを参照。)
項目の説明
- QOL・・治安、医療、環境等
- 就職・・就職のしやすさ等
- 快適さ・・友人のつくりやすさ等
- 事務・・家の借りやすさや役所手続き等
- 収支・・収入に対しての支出等
・ドイツでの生活を考えているのでおススメの街を知りたい
・ドイツ在住だが引っ越すとしたらどこがいいのか知りたい
1位 デュッセルドルフ
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
---|---|---|---|---|---|
デュッセルドルフ | D | B | E | E | B |
ドイツで最も「外国人が住みやすい都市」に選ばれたのが、デュッセルドルフです。ドイツの中でも比較的治安や生活環境が良く、多国籍な環境が整っていることから、仕事と私生活の両面でで大きなアドバンテージを持ちます。
ドイツの都市全般に当てはまることですが、全体的に「友人のつくりやすさ」や「家の探しやすさ」などが弱い面で、南欧諸国に比べて大きなマイナスとなっています。

「就職」や「収支」部分での評価は高く、仕事が見つけやすく稼ぎに対しての出費が低いことが高評価の要因として挙げられています。デュッセルドルフには400社近い日系企業が進出していることから求人数も多く、特に日本人にとっての就職しやすさに関しては欧州随一と呼べるでしょう。
在独日系企業で就職する場合、メインはヨーロッパ市場における拠点としての販売や組織のサポート業務が求められます。営業であれば欧州を飛び回る折衝業務であったり、営業・ロジスティクスアシスタント、経理・総務など、豊富な求人にアクセスすることが可能なことからも日本人に人気です。
ドイツの就職条件
▶ 最低1年以上の職務経験
▶ ビジネス英会話力(TOEIC800以上)※一つの目安です
▶ 海外居住経験があると有利 ※必須ではない
▶ ドイツ語力があると有利 ※職種により必須ではない
2位 フランクフルト
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
---|---|---|---|---|---|
フランクフルト | E | C | E | E | C |
ドイツの中で2位の住みやすさとされているのが欧州最大の金融都市、フランクフルトです。デュッセルドルフにはやや劣るものの、全体的に就職や収支周りのテーマに関しては欧州の他都市よりも強みを持ちます。
また、ドイツでも有名企業や多国籍企業の本社が構えられているため、キャリアアップのためのチャンスも多いと言えるでしょう。
弱点としてはドイツの他都市同様、友人のつくりづらさや、高い家賃に起因する家の探しづらさなどが挙げられています。

3位 ベルリン
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
---|---|---|---|---|---|
ベルリン | C | D | F | F | C |
ドイツの首都ベルリンの、ドイツにおける住みやすさは3位です。首都だけあって、流石にアクティビティは充実しており、博物館、美術館、レストラン、図書館、スポーツ場など、施設が豊富です。また、日本への直行便はありませんが、ベルリン空港は欧州のほぼ全域への空路をカバーしており、電車、バスでも他国への移動が可能です。
弱点として挙げられているのが、最下位クラスの「友人のつくりづらさ」と「家の探しづらさ」です。特に、移民が多い影響でベルリンをはじめとする大都市の住居の需給バランスは完全に崩壊しており、折角仕事を見つけられても住む家が見つからない、という事態も多々発生しています。

4位 ケルン
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
---|---|---|---|---|---|
ケルン | D | D | E | F | C |
デュッセルドルフから電車で40分強、NRW州最大の都市ケルンは、ドイツの他の大都市に比べると比較的安全で、かつ生活費を抑えた生活を享受できることで知られています。
日本人の中でも、最近では住民超過状態に陥っているデュッセルドルフを避けてケルンで生活する人々も少なくありません。デュッセルドルフ同様、NRW州には伝統的に多くの日系企業が居を構えているため、駐在員や現地採用者もケルンやケルン近郊で暮らすケースが多く見受けられます。

5位 ミュンヘン
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
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ミュンヘン | C | C | F | E | E |
高い生活の質や就職のしやすさ、キャリアアップの可能性などドイツ随一と言えるのが、ドイツの古都ミュンヘン。緑化された市街地に多くの公園や街路樹が立ち並ぶ、欧州随一のエコタウンとも呼ばれています。治安も大都市にしては非常によく、フランクフルトやベルリンと大きく異なります。
最大の弱点はそのドイツ一高いと呼ばれる生活費と家賃で、選ぶ仕事によっては生活費がマイナスになることもあるほど・・。仕事選びは慎重にしなくてはいけません。また同都市のあるバイエルン州は、ドイツ語の訛りが強いことでも有名です。

6位 ハンブルグ
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
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ハンブルグ | D | D | F | F | D |
欧州最大級の港を構えるハンブルグ。その人口200万人はベルリンに次ぐ第二位で、ドイツ経済の大動脈の一つとして知られています。港特有の異国情緒溢れる雰囲気と、海運関連の仕事の需要から多くの外国人が居住していることで有名です。

ドイツの他都市同様、友人のつくりづらさや家の探しづらさでマイナス評価をされています。実際には、ハンブルグをはじめ多くのドイツの都市では外国人を対象に様々なイベントが開催されているため、そこまで閉鎖的な印象はないかも知れません。
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付記
参考
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
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東京 | A | E | C | E | B |
ロンドン | E | C | D | D | F |
ニューヨーク | E | A | C | B | E |
Internation社による各都市のランキング(54都市中)。
QOL | 就職 | 快適さ | 手続き | 収支 | |
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1 デュッセルドルフ | 31 | 16 | 41 | 47 | 18 |
2 フランクフルト | 42 | 27 | 50 | 49 | 23 |
3 ベルリン | 29 | 32 | 51 | 53 | 28 |
4 ケルン | 32 | 38 | 48 | 51 | 25 |
5 ミュンヘン | 21 | 21 | 53 | 50 | 48 |
6 ハンブルグ | 40 | 35 | 52 | 52 | 37 |