ドイツ・英語圏でよく見かける職種:Business Developmentの仕事内容とは?

2021-03-06 | タグ:

日本の転職市場では中々聞きなれない「Business Development」という職種ですが、ドイツの求人サイトなどを見渡すとこの文言をよく見かけます。なんとなく「ビジネスを発展させる職種」ということはイメージできますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

今回の記事では、Business Developmentの具体的な業務内容、求められる技能などについてまとめていきたいと思います。

Business Developmentとは:概要

ドイツ語に直訳・意訳すると「Geschäftsfeldentwicklung」「Unternehmensstrategie」等となりますが、実際のところドイツ語圏でもほとんど英語の「Business Development」の呼称が用いられています。そのため、求人サイトなどで目にするのも「Business Development」「Sales & Business Development SEA」「Marketing & Business Development DACH」といったものになります。

給与水準では、Stepstone社の調べによると、平均値で年収64900EUR(850万円程度)となり、ドイツの一般的な職種の給与水準を上回る、一種の「高給」ポジションにカテゴライズされ、新入社員というよりも30代~40代のマネージャークラス向きのポジションと言えるでしょう。

さて、このBusiness Developmentの具体的な仕事内容ですが、実はかなりざっくりとした概念で、具体的に何を期待しているかは会社によってまちまちであることが多いです。

多くの場合では、Business Developmentの求人が出されている場合、以下の2パターンのいずれかを指し示し、それぞれに応じて求められるスキル・技能は異なります。

  1. 新規市場開拓
  2. 既存市場の拡大

新規市場開拓の場合、その企業が新しい地域、国にサービス、財の新規進出を図っていることが想定されます。例えば、ドイツの医薬品メーカーが新たに中国市場、日本市場に参入したい場合、一からマーケット開拓を行える人材をプロジェクトリーダーとして募集する、というかたちです。

こうしたケースでは、その業界、及び進出する地域に関する豊富な知識と人脈が求められることになり、またまっさらな市場を開拓する場合、マーケティング、データ分析、ブランディング、貿易、経営といった商学に関する広範な知識が要されることとなります。例えていうなれば、その国で事業をスタートして、売上1億円~5億円を3年以内に達成できるようなバイタリティが要される、といったところでしょうか。

他方で、既に企業が持っている市場に対して集中してビジネス拡大を行う場合、マーケットの土台があり既に社内でチームが組まれている場合があるので、参入難易度はいくばくか軽減されます。とはいえ、すでに会社が持っていた売り上げの数値を下回るわけにはいかないので、売上に対するプレッシャーは上記の「まっさらな市場開拓」よりも大きくなるでしょう。

いずれにせよ、企業が求めるのは特定の地域・国の事業を独立して発展できる人材であり、自身の裁量で積極的に動ける人材が適しているといえます。

  • Business Developmentは商学知識の集大成とも呼べる職種
  • その地域、国に特化した知識とコミュニケーション能力が求められる

業務内容

上記の解説を前提に、ドイツで募集されるBusiness Developmentの職種は、具体的にどのような業務内容であるのかを見ていきたいと思います。

ドイツで日本人が応募するとなると、基本的に想定される分野・ポジションは以下の2パターンとなります。

  1. ドイツ企業→日本、アジア地域へのBusiness Development
  2. 在独日系企業→EU、DACH地域へのBusiness Development

前者のドイツ企業に関して言えば、想像はしやすいと思います。要するに、ドイツの企業で、アジア、日本市場に参入したい場合、日本人である応募者は言語、文化の観点から、他応募者よりも有利であり、おのずと求人に引っ掛かりやすくなります。

対して、ドイツ企業がドイツ、ロシア、イタリア、アメリカ等、アジア以外の地域をDevelopmentしたい場合、日本人応募者が仕事を得るケースは非常に難しいと言えるでしょう。なぜなら、人種のるつぼであるドイツでは、多くの労働者がEU各国、世界各国から流入しており、それぞれの国の言語、文化に知悉した人材を採用することは容易で、わざわざ日本人をそのポジションに対して採用するメリットが無いからです。

後者の、在独日系企業であるケースを想定すると、さらにマーケットの候補は広がります。要するに、日本本社の出先機関として進出したドイツ法人社が、新たにDACH地域、ヨーロッパ地域の開拓を行いたいケースで、この場合、本社との意思疎通が行える日本人Business Developerが適していると言えます。加えて言えば、日本人であり、ドイツ語や欧州他言語に知悉した人材であることが望ましく、こうした「新規市場開拓」のポジションにあてがわれます。

この新規市場開拓に成功したケースでは、そのまま現地社のマネジメントポジションに据えられることも少なくなく、年収1000万円はゆうに超えるような、一国一城の主となりえる道が見えます。一方で、2~3年で結果を出せないと、その市場自体が会社にとって不要となり、事業を切り捨てられてクビになるケースも少なくなく、ハイリスク・ハイリターンのポジションとも捉えられます。

  • 日系企業かドイツ企業かで、求められる役割が異なる
  • 開拓先の市場に対する語学的、文化的素養が必須
  • 一から事業を起こすことが多く、起業家的なスキルが求められる
  • 他ポジションと比較し、ハイリスク・ハイリターンである

応募の要件

さて、こうしたBusiness Developmentの応募の要件ですが、どのようなものが求められるのでしょうか。上述の通り、そもそも会社がどの市場にコミットしたいかによって大きく分かれますが、最低限、ビジネスレベルの英語スキルは必須です。

加えて、コミットする国の言語をC1~母国語レベルで知悉していることも、Business Developerとしては重要な要件の一つです。勿論言語だけでなく、その国の商慣習、文化などにも精通している必要があります。

さらに、その企業のセグメントに知悉しているかどうかも重要なポイントです。特に、新規市場に輸出するとなると、多くの場合で輸入規制、関税などの問題にあたり、こうした知識をあらかじめもっているか、一から調べなくてはいけないのかは、企業にとっても応募者にとってもかなり重要な部分と言えます。

その他、上述の通り、要するに「ゼロからスタートして3年以内に1億円以上売り上げる」ことが期待されるので、起業家的な商学に関わる広範な知識が必要です。単に売り上げるだけでなく、現地でアシスタントや営業を雇う場合、当然彼らの給料やマーケティングに関わる費用、営業利益、オフィス運営費などの計算も行わなくてはいけないため、会計、マーケティング、経営、人事といった部分の知識もあったほうが良いでしょう。

  • 英語はビジネスレベル(B2~C1)
  • ドイツ語(欧州他言語)は対象となる地域によって必要
  • 対象となる国・地域の文化的素養
  • 商学全般の知識・経営者としての考え方

どんな性格の人が向いている?

性格上、自分で考えて行動できるタイプの応募者に適性があるとみなされています。特に新規市場の場合、会社側もどのようなアプローチが最適か分かっていない部分が多いため、自身でマーケットの分析を進め、必要であればどのような投資や新規製品開発をしなくてはいけないのか、といった計算を自発的に行い、自社経営陣にプレゼンテーションする必要が出てきます。

そのため上述した通り、一営業社員というよりは、新規市場においてゼロベースで橋頭保を築き上げ、3年スパンで少なくとも億単位の売り上げを伸ばせるような人材であることが要求されます。

加えて、その新規市場にコミットする以上、出張の頻度は多くならざるを得ないでしょう。場合によっては、その国に新しく法人を設立し、現地の支社長になるようなケースも考えられます。

  • 自発的に行動するタイプ
  • 出張頻度は多い
  • 経営者としてのものの捉え方ができる人

どんなスキルが身につくのか

最後に、こうした環境に身を置いて仕事をした場合、どのようなスキルが身につくのかを見てみましょう。

Business Developmentは、上述の通り商学一般、特に経営目線での技能を磨く上では格好のフィールドです。一度マーケットの育成に成功した実績があれば、将来別の会社に転職しても、そのスキルは高く評価されることとなるため、転職市場における価値は間違いなく上がるでしょう。冒頭で説明した通り、Business Development職の平均給料は円換算で800万円Overと高給の一種としてみなされており、成果が出ればその分、高い給与を享受することができます。

また、Business Developmentの経験者は、その経験を活かし、起業や、スピンオフを行うことも珍しくありません。将来、こうした自立した経済活動を考えている場合、絶好のキャリアパスといえるのではないでしょうか。

Career Management社の応募ポジション一覧に関しては、以下を参照ください。

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