[ドイツ給料事情] 日本からドイツに就職・転職した際の年収は?

2019-07-09 | タグ:

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海外転職を志す者にとって一つ悩みどころになるのが、転職先の国で得られる実際の給与水準です。

給与だけが職場の善し悪しを決定する要因ではないにしろ、やはり人間関係ややりがいと並んで、給与水準も転職希望者が重視するものの一つに挙げられます。

国内の転職であれば、過去のデータが多く参考になる具体例を引っ張ってこられるのですが、海外転職となるとそうはいきません。海外の場合、日本とは物価も税率も異なるため、どのくらいの給料を得られれば現在の生活水準を保てるのか、という見積をおこなうのが難しいのが現状です。

今回は、日本での職歴をもとにドイツに転職する際、どのくらいの給与水準が期待できるのか、どういった要素が給与に影響を与えてくるのか、について解説をおこないます。

ドイツ年収事情

ドイツのサラリーマンの平均年収は58,000€程度で、日本円に換算すると約700万円に相当します(Source: Step Stone Gehaltsreport)。

一見して高いようにも思えますが、実際には働く都市、会社の規模、部下の有無、学歴、勤続年数などによって年収額は大きく変化し、例えば大卒初任給であれば35,000~45,000€の間が一般的な年収水準です。

日本の場合、年収を考えるうえで年齢が一つのファクターになってきますが、ドイツの場合年齢ではなく「その業界における勤続年数」がキーファクターになってきます。

例えば、ドイツの大手リクルート会社Step Stone社の公表しているデータによると、ドイツでは専門での職歴が2年以下の場合の年収は350万円~500万円程度で、この職歴が伸びていくとともに年収が増えていく統計です。

後述するように、日本からドイツへの転職の場合、過去の実績の引継ぎが難しいことから、新卒採用としてポジションを得るようなケースが多々あり、その場合こうした「職歴2年以下」の給与テーブルがもとになることがあります。

Source: Adapted from Step Stone 2019, 国税庁2015

外国人(日本人)のドイツにおける就職は新卒扱い?

さて、日本人などドイツ国外の人間がドイツで就職(転職)をした場合、日本にいたころよりも高い水準の給料を享受することができるのでしょうか?

一般的に、以下の2つの問題から、実際にドイツで期待通りの給与水準をもらうことは難しいとされています。

1つ目の問題が、職歴の互換性です。

例えば、日本で10年間法人営業の経験がある場合、ドイツでそっくりそのまま10年分の法人営業の職歴が認められるかというと、必ずしもそうではありません。

日本や海外で培った経験は、その国の文化やコンテキストでのみパフォーマンスを発揮できないようなケースも少なくなく、それらがドイツでの職歴10年分としてそのまま扱われるかどうかは転職後のポジションや会社特性などによって大きく異なってきます。

そのため、統計上ではドイツのほうが日本よりも給与水準が高く見えますが、ドイツで転職したからといって、その給与水準をドイツ人以外の文化で育った者がそのまま享受できるかというと、また別の問題になってきます。

日本からドイツの会社に転職する場合、日本での経験がゼロになり、また「新卒(Berufseinsteiger)」として給与テーブルが一からスタートすることも稀ではありません。

それどころか、英語やドイツ語でのビジネス経験がないと、むしろパフォーマンスが見込めないとして、平均給与以下からのスタートになることもあります。

2つ目の問題が、手取りと額面の差と福利厚生です。

例えば、額面で月収40万円のケースを想定すると、日本の場合手取りで30万円くらいですが、ドイツの場合額面のうち約30~35%程度が天引きされ、手取りは26~27万円程度に落ち着きます。

また、会社によりけりですが、日本の大企業ではごく当たり前にある交通費、住宅補助、転勤費などの福利厚生が、ドイツでは特例を除き享受できる場面が少なく、日本からドイツに転職したからといって、月々の口座残高が増えるかというと、必ずしもそうでいうわけではありません。

ドイツ転職で具体的に得られる年収水準は?

上述のように、ドイツでは会社の規模や今までの勤続歴によって期待できる年収額は大きく異なってきます。

また、職歴の互換性や技能(語学力等)によっても異なり、一概に「日本での年収がこれくらいだから、ドイツに転職するとこれくらい」と試算することが困難です。

一般的に、日本からドイツに移住し、職業の互換性がない(一般的に、営業やマーケティングなど文系の分野では理系に比べ互換性が少ない)分野で新しく職歴を開始しようとすると、ドイツの大卒初任給と同水準程度の30,000~45,000€あたりが一つの相場になります。

逆に、職業の互換性が高ければ(具体的には、Data Analyst, Engineer, Researcher系であれば互換性が大きく)、過去のパフォーマンスをドイツでの再現可能と見なされ、給与テーブルを引き継げることがあります。


Source: Step Stone 2019を元に作成

加えて、以下のポイントはドイツ企業での年収に強く影響を与える要素です。

  • 企業規模(500人を境に大きく変化)
  • 過去の同一業界における勤続年数
  • 職業のポジション(部下の有無)
  • 業界(証券、銀行、コンサル等は高給与)
  • 大学卒or大学院卒or博士課程
  • 就業する都市(旧西ドイツは一般的に高給与)

こうした要因を加味して、日本での給与水準を維持しつつドイツで転職するには、様々な就活リサーチと、企業との面談時の給与交渉が必要になってきます。

また、ドイツ企業以外の選択肢で言えば、在独の日系企業の中には日本での職歴を高く評価する企業が少なくなく、勤務形態など、日本での生活スタイルを崩さずにドイツで転職するには一つの理想例です。

転職先の特性、ポジションなど、様々な要素を鑑みながら適正給与の交渉をするのは容易ではないため、以下の事例のように当社のようなリクルート会社を介してドイツでの就活をおこなうのも一つの手です。

【就活体験談】日本での営業からドイツでロジスティック部に転職

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