2026年現在で約130万人の日本人が海外居住しており、そのうちの約4割が、日本への帰国を考えない「永住者」としてカウントされています。

この「永住者」は「長期滞在者」とは異なり、日本への帰国を前提としないため、海外移住者の実態を知るうえで重要な指標になることが多いと言えます。例えば、在留邦人居住数上位の中国やタイにおける日本人永住者の数は極端に少なく、多くの人々が「一時的な滞在」を念頭に居住していることを示しています。

逆に、ドイツやニュージーランドの在留邦人数は中国やタイを下回りますが、その永住者数は多く、その国で職を得て滞在し続ける人が多いことを示しています。

本稿ではこの「永住者」にテーマを絞って、10位までの国別ランキングを紹介していきます。

本稿における永住者の定義は、外務省「 海外在留邦人数調査統計 」に則り 「当該在留国等より永住権を認められており、生活の拠点をわが国から海外へ移した邦人」 とします。
※※ 本稿は令和7年版 外務省「海外在留邦人数調査統計」に基づいて作成されたものです。

1位 アメリカ

在留邦人数だけでも42万人、そのうち約半分が永住者と、海外移住する日本人にとって最も人気の移住先として知られています。2位のオーストラリアとは3倍以上の開きがあることからも、その規模の大きさが窺えます。

多くの語学学校や世界の大学ランキング上位に名を連ねる大学群を抱えていることから、学生時代からアメリカに留学する日本人も少なくなく、卒業後そのまま現地で就職・結婚して定住するケースが多いと言えます。進出している日系企業数も約9000社と世界トップクラスで、移住者の現地就職先の受け皿として機能しています。

アメリカ
在留邦人数 41万6500人
永住者数 23万3500人
言語 英語
永住しやすさ ★★★★☆

2位 オーストラリア

在留邦人数約10万人、うち6割が永住者という高い割合を持つオーストラリア。大自然に囲まれ、のびのびとした環境で仕事と人生を楽しみたいというニーズから、多くの日本人の夢の移住先の一つとして人気を博しています。

大学卒業後にビザが支給されることから、高校・大学留学や語学学校などを通じてそのまま現地に留まるタイプや、ワーホリビザを活用して現地で職業やパートナーを見つけるパターンが多いと言えます。

オーストラリア
在留邦人数 10万5500人
永住者数 6万5000人
言語 英語
永住しやすさ ★★★★☆

3位 カナダ

アメリカ、オーストラリアに次いで3位にランクインしたのは、同じく英語圏であるカナダです。充実した英語での教育チャンスに加え、恵まれた自然、海外としては安定した治安情勢、そして質の高い医療、比較的ハードルの低いビザ取得要件などが人気の理由として挙げられます。

カナダ
在留邦人数 7万5000人
永住者数 5万1500人
言語 英語
永住しやすさ ★★★★★

4位 ブラジル(※)

ブラジルと後述のアルゼンチンはやや事情が特殊で、日系移民の歴史的背景が強いと言えるでしょう。そのため一概に永住者数が多いからと言って、今から移住してビザが取りやすいとは限りません。

とは言え日本人にとって移住先としての魅力は強く、日系コミュニティ、日本語での雑誌など日本語で意思疎通できる環境が多く、リタイア後にブラジルに移住する層も一定数存在します。

ブラジル
在留邦人数 4万9000人
永住者数 4万4000人
言語 ポルトガル語
永住しやすさ ★★★☆☆

5位 イギリス

ヨーロッパからの最初のランクインとなるのがイギリス。英語圏であることから、英語が話せる日本人にとっては移住が比較的しやすいうえ、経済、治安もある程度安定した国と言えます。EUを脱退したとは言えEU諸国とのつながりは深く、イギリスで就職するとヨーロッパ各国への出張の機会が多いことでしょう。

在留邦人数に比べて永住者数が少ないですが、これは日系企業の短期駐在員の割合が多い影響と言えるでしょう。

イギリス
在留邦人数 6万2200人
永住者数 2万9900人
言語 英語
永住しやすさ ★★★★☆

6位 ドイツ

事情が特殊なブラジルを除けば、初めて英語圏以外でのランクインとなるのがドイツです。高い教育水準を持つドイツでは、大学留学を起点とした若者の移住が増えているほか、20-30代の転職目的での移住が増えているのも特徴的です(イギリス同様、在留邦人数に比べて永住者数が少なく見えるのは駐在員数の影響です)。

永住権の取得要件も他国に比べると比較的容易で、一般的な条件であれば5年間の就労経験を経て申請が可能となります。ヨーロッパの中で最大級の規模を持つ在留日系企業コミュニティも就職の受け皿として機能していることから、現地に知り合いがいなくてもゼロベースで移住を目指し易いと言えるでしょう。

特に日本で社会人経験のあるバイリンガル人材は、ドイツ語が話せなくても求人が見つかりやすく、弊社Career Managementのような人材紹介会社を通じた日本からの転職活動も活発です。

在留邦人数 4万4600人
永住者数 1万9000人
言語 ドイツ語
永住しやすさ ★★★★☆

7位 韓国

アジアにおいて唯一のランクインとなるのが、中国やタイを抑えて韓国となります(※アジアにおける永住者数、韓国の次点は台湾)。ヨーロッパや北米と比べて文化圏的にも言語的にも類似していることもアドバンテージとして機能するうえ、ポップカルチャーをきっかけに渡韓し、そのまま現地に移住する若者層が増えています。

在留邦人数 4万4000人
永住者数 1万7000人
言語 韓国語
永住しやすさ ★★★☆☆

8位 フランス

イギリス、ドイツに次ぐヨーロッパ第三の永住地として人気なのが、文化大国フランス。ビジネス上のメリットは勿論、日本からは芸術関連の留学地としても人気です。

日系企業数もドイツ、イギリスに次いで多いことから、日系企業の現地採用としての受け皿も豊富と言えます。

在留邦人数 3万6000人
永住者数 1万5600人
言語 フランス語
永住しやすさ ★★★☆☆

9位 ニュージーランド

世界平和指数ランキングで常に上位にランクインするニュージーランド・・国土としては小さいものの、豊かな自然と安定した経済水準が魅力で、日本からの語学留学生やワーホリ生に人気を博しています。

その後の永住地としても人気で、約5年間の就労経験を持って永住ビザに更新可能です。

在留邦人数 2万1000人
永住者数 1万2500人
言語 英語
永住しやすさ ★★★★☆

10位 アルゼンチン(※)

アルゼンチンは、ブラジル同様戦前に日本からの移民を多く受け入れたことで知られる南米の国です。こうした歴史的背景から、在留邦人、並びに永住者数も一定のプレゼンスを持ちます。

在留邦人数 1万人
永住者数 1万人
言語 スペイン語
永住しやすさ ★★☆☆☆