意外な理由?日本人のドイツ転職理由ベスト5とは

2021-05-03 | タグ:

ドイツに約50,000人いると言われている在独邦人ですが、実際にドイツに移住した理由は様々です。以前Career Management社では、当社のサービスを利用した候補者へのアンケートをもとに、日本人のドイツ就職にまつわる様々なデータを載せたレポート(ドイツ就職市場レポート)を作成しました。

中では、ドイツへの転職理由について、回答の多かった5つの理由が述べられています。

今回は、これらの理由を紐解き、ドイツに転職する日本人の動機・理由について詳しく解説していきたいと思います。

専門的な知識をつけるため

日本人のドイツへの転職・就職理由で最も高い割合を占めているのが、この「専門的な知識をつけるため」という理由で、全体の約21%を占めています。ドイツの就職・人事育成の制度は、国ぐるみで「専門知識特化型」となっており、日本のように広く浅く知識をつけるジェネラリスト型の育成とは一線を画します。

日独のキャリアステップの違いの一例

大学・大学院での専攻がそのまま自身のキャリア・職域に関連してくることから、得意とする分野での知見を深化させ、何度もジョブチェンジを行う、というのがドイツ流の典型的な仕事人生です。例えば、以下の記事の中では、ドイツでロジスティックの知識を高めたい日本人男性の就職体験談を紹介しており、このように自身のキャリアアップの軸としてドイツ転職を選ぶ日本人は年々増えています。

国内法人営業からドイツでロジスティック部に転職

特に、今後海外、特にヨーロッパでの活躍を見据える場合、何かしら自分の中で軸となる専門性を築き上げることが成功のカギとなってきます。そのためのチャンスとして、ドイツは恰好の修行の場として活かすことができるでしょう。

好条件(給与など)でのオファー

全体の理由の二位(17%)として、ドイツ企業からのオファーが魅力的だったことが挙げられます。欧州の中では勿論、世界的に見ても給与水準の高い国として知られるドイツには、日本だけでなく世界各国から優秀な人材が集まってきます(2019年統計データで、OECD加盟国の中でドイツは11位、日本は24位)。

[ドイツ給料事情] 日本からドイツに就職・転職した際の年収は?

日本との給与水準を比較しても、年次にもよりますが、平均して額面ベースで2~3割ほど高いことで知られており、物価水準を鑑みても、ドイツでは安定した生活を期待することも可能です。

ただし注意しなくてはいけない点として、平均の額面ベースでは日本での給与を上回るものの、福利厚生や税金などを勘案すると、実際にはドイツで期待される手取りはそこまで多いものではないケースもあります(その代わり、医療費や学費が無料であったりと、生活福利が手厚いという点がありますが)。あくまで、欧州各国との比較という意味では、ドイツは優等生と言えるでしょう。

ドイツへの滞在経験・思い入れ

こうしたキャリア的、金銭的なメリットではなく、ドイツへの興味・思い入れからドイツを転職先に選んだ層も一定数存在します(全体の約14%)。具体的な例では、留学でドイツに滞在していた経験があった、仕事でドイツの会社と何度も取引を行なった、滞在経験はないが学生時代にドイツ語を専攻していた、等です。

以下の記事でふれられているように、こうしたドイツへの思い入れは転職の動機としては十分な効力を発揮します。勿論、理想と現実は異なるため、綿密な下調べなどが肝要になってはきますが、特にワーホリなどの受給対象で、また社会的にもやり直しの利く年齢である20代後半などでは、こういった層の転職活動者は多く見受けられます。

刺激を求めてデンマークからドイツ転職に成功したコンサル系応募者

こうした、ドイツへの思いを糧にドイツ転職する際に注意しなくてはいけない点が、過度の思い込みや期待は禁物といった点です。旅行や留学で触れるドイツと、実際に働いてみるドイツ文化とでは、根本的な違いが顕在化しがちです。

「ドイツなのだから皆親切である」「ドイツなのだから残業がない」といった過度な思い込みは禁物で、自身の予想に反して期待を裏切られればその分失望も大きく、ドイツを離れる理由へとつながってきます。

あくまで、ドイツ旅行とドイツでの仕事は別物、と割り切ったうえで、自身のキャリアの育成の場としてドイツを捉えることが、その後も長くドイツで成功していけるカギとなります。

労働環境が良いから

OECD諸国の中でも特にワークライフバランスの優れた国として挙げられるドイツ、こうした労働環境的側面をドイツ転職の理由に挙げる候補者は、全体の約11%にあたります。

以下の表でわかる通り、世界のワークライフバランスの指標に則ると、ドイツの働きや指数はOECD先進国の中で8位にランクインされており、ワースト5位の日本とは大きな隔たりがあります。

Source: Adapted from OECD

残業や過労が法整備によって厳格に管理されているため、身をすり減らして労働して過労死に至る、といった事態はドイツでは滅多に起こりません。こうした労働環境に対する高評価は、ドイツ人の「プライベートを重視する」という傾向から来ており、日本だけでなく韓国や中国など、やはり過労で疲弊した国の人々が転職先を求めて訪れる国となっています。

プライベートでの理由

全体のおよそ10%程度の割合を占めているのが、この「プライベートの理由」です。以下の記事では例えば、ドイツ人との国際恋愛の末にドイツ転職を決めた日本人女性の体験談が載せられています。

国際恋愛の末にドイツ就職した元文学少女

このように、パートナーや配偶者がドイツ人であったために、それに伴ってドイツに来たパターンや、あるいは日本人配偶者がドイツ転勤となり、それに伴って移住したケースなどは少なくありません。

こうした場合には、そもそもドイツに来る個人的理由がなく、ドイツ語や英語への理解が乏しかったり、場合によっては海外滞在経験が初めてで慣れない海外生活に苦しむ、ということもあり得ます。ただしドイツの場合、デュッセルドルフやフランクフルト等、既に日本人のコミュニティが形成されており、他の日本色の薄い欧州各国と比べると、日本人の移住難易度は低いとみられています。

国際人事マネジメントの世界で、Global Mobilityと呼ばれる国境を越えた就職機会の需要は年々高まっており、今後も重要視されてくるテーマでしょう。

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