ドイツ転職事情 日本での営業職経験が有利になるドイツの転職先とは?

2019-06-24 | タグ:

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ドイツには4万人以上の日本人が生活しており、その中の大多数はドイツに期限付きで滞在する留学生や駐在員です。

一方で、そのような駐在や留学という形ではなく、ドイツで就活をおこない、ドイツで仕事を見つけ、長期的なドイツ滞在を希望するいわゆる「現地採用者」の数も少なくなくありません。

こうした現地採用者たちのバックグラウンドは様々ですが、日本で就職後にドイツに移住(転職)、という日本のビジネス背景を持つ者たちの現地就職パターンが、徐々にではあるものの増えつつあります。

今回は、こうしたドイツ転職希望者のため、日本でのサラリーマン歴・営業歴を活かしてドイツに転職する際のメリット、および具体的な方法・ターゲット転職先等についての情報をまとめていきます。

日本での営業経験がもたらすもの

分野や産業によって身につく知識には違いがあるものの、一般的に日本の営業職で身に付くスキルや方法論にはある程度の共通項が見受けられます。

具体的には、日本で「営業経験者」という場合、以下のようなスキルをすでに身に着けていることが期待されています。

  • ビジネス日本語
  • 日本のビジネスマナー
  • 日本での営業ノウハウ(ヒアリング能力、提案力など)
  • チームワーク
  • OAスキル(パワーポイント、エクセル等)
  • 分野別専門知識

こうした知識やスキルの中で、国を変えても互換性があるものは「チームワーク」「OAスキル(パワーポイント、エクセル等)」、そしてその業界の「専門知識」であって、ビジネス日本語や日本のビジネスマナーなどは国やポジションによっては活かすチャンスがありません。

これが一概に「日本での営業経験」だけを武器に海外に転職しようとすると難しいと言われる所以です。そのため、海外企業で就職する際には、過去の日本での実績や評価を一度捨てて、また現地で「新人」としてキャリアをスタートせざるを得ない者も少なくありませんし、就活自体に苦労するケースも後を絶ちません。

一方で、海外で得られるポジションの中にはこうした日本での営業職経験が活かせるものも多数存在します。

そういったところに応募することで、採用の機会がぐっと高まったり、給料を多く見積もってもらえるケースが多く、過去の実績を無駄にせずに海外でのキャリアアップが可能です。

以下の職種や業界は、ドイツで日本での営業経験が活かしやすいポジションです。

カスタマーサポートデスク

海外の転職サイトなどを見ていて真っ先に目に留まりやすいのが「Japanese Speaking Customer Support」という種のポジションです。IndeedやGlassdoorなど、有名な就職サイトをチェックしてみると、日本語需要のある仕事のうち3割以上は何らかの形で日本市場向けカスタマーサポート業務です。

特に、IT系のカスタマーサービスは、現地語での電話やメールに対応するため、各国企業とも各国語専用の窓口を設けており、日本語も需要の多い言語の中の一つです。

カスタマーサービスの特徴は、日本人に対する電話対応・メール対応がメインですが、中にはチームを管理するチームリーダーや、発送業務など貿易実務をおこなうこともあり、実際にどのような仕事内容になるかはポジションによりけりです。

一般的に、洗練された日本語(ビジネス日本語)スキルが必要とされることから、日本語母国語話者や、日本でビジネス経験がある経験者が求められやすいです。

一方で、営業時代に培った営業スキルが直接活かされるというわけではなく、あくまで「日本語要員」としての職務のため、必ずしも前職の営業経験が直接活かせるとは限らないのが欠点です。

ドイツ企業(中小・スタートアップ)

より外向きの業務や営業チャンスを求める場合、ドイツ中小企業やスタートアップ企業の中で、日本市場開拓を目指す企業への応募も魅力的です。

大企業の場合、すでに企業内に専門の部署が設けられていたり、すでに日本に進出済みであったりと、なかなか採用ポジションを見つけることが難しいですが、中小企業やスタートアップの場合、一から市場を作る必要がありますので、一個人の規模から採用をスタートするケースが多々あります。

こうしたポジションの場合、主な業務は日本市場リサーチ・日本顧客の開拓や現地代理店との折衝などで、基本的に日本市場が主戦場となることから、過去の日本での営業経験が最も重宝されやすい職種です。具体的には、以下のような業務内容です。

  • 日本市場のポテンシャルの分析
  • 日本市場における代理店企業などの選定
  • 代理店企業などとの折衝
  • 法的規制に対するサポート(輸出認可など)

デメリットとしては、結果が残せなかったり、採算が見込めない場合、中小企業の場合すぐに日本市場撤退を決めてしまい、その場合日本人がお役御免になることも少なくありません。基本的に、試用期間である6か月の間になんらかの実績が残せないと、契約更新に至らないことが多いです。

在独日系企業

ドイツに進出している日系企業の数は大小あわせ1,500社程度で、ドイツでの転職を考えるとき、日本での経歴や実績が最も評価されやすい就職先の一つがこうした在独日系企業です。

在独日系企業の業務内容は多岐にわたりますが、ヨーロッパ市場の開拓、リサーチ、貿易実務やマーケティング業務などで、英語やドイツ語のスキルを活かしたダイナミックな活躍が見込まれます。

一見、こうしたヨーロッパ市場向けの業務に日本での営業経験が活かせないように思えますが、実際のところ、以下のような場面で日本の営業としてのスキルが必要になってきます。

  • 本社の日本人との折衝
  • 本社向けプレゼン資料などの作成や提案
  • 日本-ドイツの間の文化的仲介
  • 本社ビジネスプランの現地への適用

親会社が日本にある以上、どうしても本社との折衝には「日本的な思考」「日本語能力」「高度な意思伝達能力」が必要とされるケースが多く、こうした場面で日本での営業スキル、交渉スキルというものがフルに活躍できます。

上述の本社との折衝業務に加え、ドイツ、欧州マーケットを開拓・発展させるうえで現地の法人との交渉なども期待されるため、英語、ドイツ語、異文化コミュニケーションなどのスキルも重宝されがちです。

海外で就職、というと頭に思い浮かびやすいのが現地企業への就職ですが、実際には就職チャンスは色々な分野にわたって存在しており、その中でも特にドイツの日系企業は日本での営業経験を活かしやすい職場の一つです。

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