第二言語としてドイツ語を利用できるおススメ就職先とは?

2021-05-18 | タグ:

中国語に次いで大学の第二言語履修で根強い人気を誇るドイツ語ですが、履修したら一体どの程度の就職上のメリットがあるのでしょうか?ドイツ語の強みを利用した就職先について、日本国内外の事情を交えながら解説していきたいと思います。

ドイツ語ってどんな言語?

世界における話者人口は1億3000万人であり、主に公用語として扱われるドイツ、スイス、オーストリア等に集中しています。フランス語、ポルトガル語のように旧植民地で話される欧州諸語と比較すると、ヨーロッパの一部地域に集中しているという特徴がありますが、ドイツ、スイス、オーストリア等ドイツ語を母国語とする地域は「DACHエリア」と呼ばれる世界でも有数の経済国家諸域で、話者人口以上にドイツ語のビジネス領域における重要度は高いとされています。

また、DACHエリア外に目を向けると、旧プロシア領域、東欧諸国においてそのプレゼンスは目覚ましく、例えば周辺のポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー等では英語は話せないがドイツ語が話せる、という層も少なくありません。

(出典:in which country do you speak German?)

言語としての特性は、英語と起を同じくする「ゲルマン語族」に属し、英語、スウェーデン語、オランダ語等と親和性を持つほか、ドイツ語由来の単語が欧州各国で使用されており、将来欧州諸言語を習ううえで活用しやすい言語です。

  • 世界有数の工業・経済地帯DACHエリアの公用語
  • 話者人口1億3000万人は世界10位
  • その他、周辺諸国でドイツ語の需要が高い

ドイツ語は就職でどの程度活かせるのか?

さて、このようにヨーロッパで最重要言語の一つに数えられるドイツ語ですが、実際に日本人の就職・転職というテーマに目を向けると、一体どの程度実用性があるのでしょうか?以下に、「日本国内」「ドイツ」「その他外国」それぞれの事情について見ていきたいと思います。

日本国内における就職

まず、身近な就職先である日本国内での就職とドイツ語、というテーマについて考えてみましょう。結論から言うと、日本国内におけるドイツ語のビジネス需要はそこまで高くはありません(これはドイツ語に限らず、欧州諸語一般の宿命でもありますが)。

まず、ビジネスにおいて「どうしてもドイツ語が必要」という場面が極端に限られていることが原因です。世界英語浸透度ランキングにおいて8位の座にあるドイツ人にとって(日本は55位)、国外とビジネスする際に、わざわざドイツ語を要求するケースはほとんどなく、基本的には英語で行われます。

そのため、ドイツ中小企業の社内文書、金融機関のレポート、メーカーの技術書、等一部文書はドイツ語でのみ使用されることこそあれど、日本に進出しているような大手ドイツ企業や、日本と取引のあるドイツ企業とのBtoB折衝において、ドイツ側が「ドイツ語」を必須項目に盛り込むことはほぼ起こりえません。

BtoCの領域でこそ、ドイツ語の需要は発生してきますが、日本国内に住んでいてドイツのBtoCを手掛けるような仕事はほぼ起こりえず、また、それらコンテンツをドイツ語でまかなえるようなドイツ語話者の調達も国内では困難なことから、おのずと、日本国内においてドイツ語の仕事での使い道は乏しいと言わざるを得ません。

  • 日本国内において、ドイツ語の使い道は限られている
  • ドイツ人は他国とのBtoBビジネスシーンにおいて英語を使用
  • ドイツ系外資企業の内部やりとりは日本語(英語)。本社とのやり取りは駐在のドイツ人が行う

ドイツにおける就職

さて、それでは日本国外でのドイツ語需要に目を向けるとどうでしょうか。ドイツでの就職を想定する場合、ドイツ語は「必須条件」となります。我々日本人にとって日本で就職する際に日本語が必須のように、ドイツで就職するにあたってドイツ語もまた、基本的には無くてはならないスキルの一つとなるのです。

ただ注意しなくてはいけないのが、ドイツでドイツ企業に就職するにあたり、ドイツ語はあくまで充足しなくてはいけない前提条件の一つに過ぎず、ドイツ語を習得したからといってドイツで就職できるわけではありません(日本語を話せるだけでは、日本で就職活動が上手くいかないのと同様)。そのため、ドイツでドイツ企業に就職するには、ドイツ語+その他専門スキル(法学、商学、エンジニア、等)が必要となってきます。そのため、大学の第二言語などで履修したドイツ語をドイツ国内のドイツ企業就職に活用できるかというと、あまり現実的とは言えません。

一方、ドイツに展開する外資系企業(日系企業、アメリカ企業等)に目を向けると、今度はドイツ語の持つ意味合いが異なってきます。彼ら現地進出MNEが求めているのは、ドイツ語+本社とのパイプ役となれるような人材です。そのため、例えば在独の日系企業にとっては、ドイツ語を使えてかつ日本の仕事文化に知悉している人材というのは、ピンポイントで欲しいところになってきます。

以下は、ドイツの日系企業に就職した日本人のうち、どれくらいの割合の応募者がドイツ語に習熟していたのかを示すグラフです。全体の約半分以上が、ドイツ語をビジネスで使用できるレベル(B2レベル以上)で習得してからドイツの日系企業に就職したことが伺えます。

出典:Career Management調べ(2020)

基本的に、ドイツのドイツ企業はB2というドイツ語レベルでは雇ってくれませんが、ドイツに展開している日系企業、その他外資企業の場合、そのドイツ語に対する敷居が若干低く設定されています。このことは、「ドイツ語の話せる日本人(+英語)」という人材を最も高売りできるフィールドの一つとして、下記テーブルのように、在独の日系企業が強く人気を博している理由の一つに挙げられるでしょう。

ドイツ語の需要 英語の需要 日本語の需要
日系企業(在日本) ×
日系企業(在ドイツ)
ドイツ企業(在日本)
ドイツ企業(在ドイツ) ×
その他外資企業(在ドイツ) ×
その他外資企業(在その他国) ×

その他海外における就職

最後に、その他欧米諸国におけるドイツ語の需要について見ていきましょう。上述の通り、ドイツ周辺諸国におけるドイツ語のプレゼンスは非常に高く、さながらアジア諸国における日本語のような扱いです。

例えば、近隣ポーランド、チェコ、スロバキア、イタリア、ハンガリーあるいはイギリスやフランス、アメリカなどドイツとの取引の多い欧米諸国では、ドイツ・オーストリア市場進出を目論む企業が少なくなく、おのずと、募集要項に「英語+ドイツ語話者募集」という要件が目立ちます。

そのため、ドイツ、あるいは日本という枠組みにとらわれず、今後欧米諸国での就職を念頭におくと、英語に続き、ドイツ語は習得しておくと将来の就職の可能性が広がる重要言語と見なされるでしょう。

  • ドイツ外の欧米諸国ではドイツ市場を狙ったドイツ語の需要が高い
  • ドイツ語+英語のスキルは、世界中で需要がある

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