日本からドイツ就職① 就活のための情報収集と求められる語学レベルの確認

2020-01-08 | タグ:

日本からドイツへの就職(転職)を目指すとき、様々な問題が障壁となって、このチャレンジを断念する人が少なくありません。特に最も大きな障壁の一つが、ドイツ就職・転職に関する情報の不足です。

ビザの申請、応募の方法、給与水準など、特に日本で育った者にはこうした目にするものすべてが真新しく、情報収集の段階から躓くケースが少なくありません。

このコラムでは、日本でドイツ就職を思い立った人向けに、そこから踏むべき手順を順々に解説していきます。今回の記事では、以下の黄色で強調した「①情報収集」の部分に絞って解説をおこないます。

初めの一歩:自分に適したドイツ就活方法を探す

一口にドイツ就活と言っても、様々な応募ルートが存在します。以下は、ドイツにバックグラウンドを持たない日本人がドイツ就職(転職)を目指す場合にとることのできる、主要な2つの就活手段です。

  1. 日本にいながらドイツでの就職活動を行う
  2. ドイツに行ってから就職活動を行う

それぞれ長所短所があり、どちらが適しているかは人によって異なるため、どちらの方法が適しているとは言い難いところがあります。

ドイツ就活のためのステップ解説に移る前に、それぞれの長所・短所を見極め、どちらが自身に適した就活方法なのかを見ていきましょう。

日本にいながらドイツでの就職活動を行う

日本にいながらドイツでの就職活動を行う場合、最大の長所は、現在の仕事や学業を中断せずにドイツ就職活動を行える点です。

日本で現在の仕事を続けつつドイツでの仕事が見つかってからドイツ渡航、という方法は、もっとも転職時のリスクを軽減するやり方として好まれます。

デメリットとしては、日本にいながらドイツ就職をする場合、応募先候補がかなり限定的になってしまう点です。特に、多くのドイツ系企業は「ドイツに住んでいる」人を応募者として好むため、採用プロセスの入り口にすら到達せず、エントリーシートの段階で弾かれてしまう可能性が少なくありません。そのため、日本にいながらドイツ就活を行う場合、「ドイツに進出している日系企業」がメインの応募候補として挙げられます。

ドイツに行ってから就職活動を行う

上述の「日本にいながら就活する方法」とは対照的に、ドイツに渡航してから就活するとなると、応募先の候補が広がる代わりに、転職(就職)先の会社を確保せずに前職を退職するため、必然的にリスクが高まります。

また、ドイツでの労働ビザは雇い主が見つかってから発行されるものなので、求職のためにドイツ渡航する場合、自前でビザや住居を準備する必要があります。一般的には、30歳以下であればワーホリビザ、あるいは語学学校の発行する語学留学ビザなどを利用して数ヵ月滞在し、その間に仕事を探す、というかたちになります。

ドイツ就職に必要な条件の確認

日本にいながら就活する場合、ドイツに来てから就活する場合、いずれの場合もドイツ就活を考える前にチェックしておくべき項目があります。すなわち、自身にはドイツで就職するチャンスがあるのかどうか、といったポイントです。

具体的には以下の3つをもって、ドイツでの就職が可能かどうかをある程度判断することができます。

  • 語学要件は満たしているか
  • 長期的にドイツに滞在する意思があるか
  • 就職に必要な専門知識、スキル、経験はあるか

語学要件は満たしているか

就活だけでなく、そもそもドイツという土地で暮らすために、語学要件(ドイツ語・英語)の充足はパスしなくてはいけない第一条件です。

具体的には、英語、ドイツ語のどちらか一つで最低でもB2レベル(TOEFL87点レベル)をクリアしておくことが、ドイツで日本人が就職する上で最低限求められる語学要件であることが多いです。

上述の図を見ればわかるように、ドイツ企業、あるいはドイツに進出している日系企業、いずれに就職する場合でも、特に英語は必須要件です。

逆にこうした語学要件を満たしていない場合、ドイツでの就職はなかなか上手くいかないケースが多く、ドイツ渡航後に英語やドイツ語の学習を要することがあります。こうした下準備は、日本在住時にすでに行うことが可能なため、渡航を思い切る前に今一度確認することが重要です。

長期的にドイツに滞在する意思があるか

続いて、本人の意思としてドイツに長期的に滞在するつもりなのか、という確認が採用者サイドにとっては重要です。

特に、日本のような新卒一括採用システムと異なり、ドイツの就職・転職システムはいわゆる「空席に新しい人員を埋め込む」やり方です。そのため、一度採用した応募者が、半年〜一年程度の短期間で会社を離れてしまうと、会社側はまた新しい応募者を採用する手間が発生するため、あまり好まれません。

EU外からの応募の場合、本人が長らくドイツに滞在する意思があるのか否かは、採用にあたって大きな影響を及ぼします。特に、中小企業の場合、ある程度長期的な目線で応募者を育てていくことを想定しているため、半年〜一年で応募者がドイツの文化に適合できずに帰国する、というケースは何としても避けたいわけです(ドイツ企業人事担当者)

そのため、すでにドイツに住んだ経験(留学、ワーホリなど)、ドイツ企業と折衝した経験の有無などをもって、採用者側にとってはドイツの文化に水が合うのかどうかを確認することが度々あります。

もちろん、ドイツになんらバックグラウンドがない場合でも、ドイツ採用者側を納得させるような理由をきちんと論理的に述べることができれば問題ありません。

就職に必要な専門知識、スキル、経験はあるか

ドイツ人以外、特にEU外からの応募者を採用することは、上述のようにドイツ側にも早期離職等のリスクがある他、様々な部分で手間を要します(ビザ、面接の旅費など)。

とはいえ応募者側に、その職種に適した経験やスキルがあり、かつそれが魅力的にとられる場合、ドイツでの就職難易度はかなり軽減されます。

ドイツ社会では、日本のようにジェネラリスト型の社員ではなく、プロフェッショナル型の社員育成が求められており、応募者はそれぞれの得意分野をもって就活などでアピールします。

具体的には、以下のような経験を持つ日本人応募者は、ドイツ就活市場で好まれます。

  • 輸出入の手配(特にアジア市場)
  • エンジニア・ITエンジニア
  • 複数言語話者(日本語+中国語など)
  • 日本(アジア)の顧客・市場を開拓できる営業社員
  • その他特殊技能

日本人であるという特性を活かす場合、やはり日本やアジア市場に関連した技能が好まれやすく、その分野で経験・スキルがあると採用の確率は高まります。

まとめ

さて今回のコラムでは、ドイツ就職を志す場合、どこから手を付ければよいかについてまとめました。最初のステップとしては、情報収集の初期段階として、以下の2つのポイントをチェックすることです。

  1. どこで就活するのかの見極め
  2. ドイツで就職するポテンシャル・メリットはあるか

実際にこの2ポイントを勘案し、やはりドイツ就活を目指す、といった場合、次の具体的なステップに移っていきます。

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