近年国境を越えた転職活動が盛んになっており、日本から海外、海外から日本という転職形態に加え、海外に移住後別の第三国に再移住するといったケースも散見されます。日本人の中にも、アメリカやアジアの大学を出たのちヨーロッパに移住するといったケースも増えており、その中でも特に目的地として人気なのがドイツです。
・アメリカの大学を卒業しドイツで就職したい人
・アメリカからドイツに転職したい人
アメリカからドイツに転職って可能?
就労ビザの観点から言うと、アメリカとドイツの労働市場は全く別物であるため、一度アメリカで留学・就職した後ドイツに転職したい場合、ドイツの就労ビザを再度取得する必要があります。その点では、日本からドイツに移住・転職する際と条件は同じと言えるでしょう。
一般的に、ドイツでの就労ビザ取得は「ドイツでの雇用主」を見つけて雇用契約を締結することが条件になるため(※配偶者ビザ、ワーホリビザなどは除く)、アメリカからドイツに転職したい場合、まずはドイツ国内で就職活動をする必要があります。
また、口約束ではなく実際に「雇用契約書(Arbeitsvertrag)」に署名をし、効力を発揮する状態で外人局に持っていく必要があります。
アメリカからドイツに転職するメリット
少なくない数のドイツ企業が昨今、アメリカとの貿易・ビジネスをおこなっており、アメリカの仕事文化に知悉した人材、英語が得意な人材はドイツでも重宝される傾向にあります。その意味では、上述のように書類手続きの煩雑さはあるものの、候補者としては有利なオプションを持って就職活動を始められると言えるでしょう。
アメリカからドイツに転職する人の多くが口にする理由の一つに「治安の良さ」が挙げられます。2024 Global Peace Index Rankingによるとアメリカの平和ランクは世界132位と最低クラスですが、ドイツは世界20位(日本は17位)と、経済大国でありながら高い治安を享受しています。
また、ドイツの労働環境の特徴として高い生産性とワークライフバランスが挙げられます。ドイツの年間労働時間は世界基準の中でも少なく、OECD調査では年間1347時間、対してアメリカは1804時間となっています。
ドイツ | アメリカ | 日本 | |
世界平和指数 | 20位 | 132位 | 17位 |
労働時間 | 1347時間 | 1804時間 | 1607時間 |
失業率 | 3.4% | 3.9% | 2.6% |
一人当たりGDP | 52.745USD | 81.695USD | 33.834USD |
経済規模で言えばアメリカの一人勝ちと言える環境ですが、労働環境や治安、物価水準とのバランスなどを鑑みるに、ドイツの安定性は高く、多くの移民にとって理想の移住先として認識されてます。
アメリカからドイツに転職する際のデメリット
アメリカからドイツに転職する場合、距離が遠いことがネックとなり雇用主を自力で見つけるのが困難である、というデメリットが挙げられます。
例えば上述の通り、アメリカからドイツに転職する場合、まずは雇用主を見つけ労働契約書を勝ち取る必要がありますが、雇用主からしたら「内定を出しても本当にドイツに来れるか分からない候補者」に対しわざわざ雇用契約書を出すメリットが薄いため、必然的に既にドイツに住んでいる応募者や、他のヨーロッパの国の候補者を優先させる傾向があります。
また、雇用契約書を獲得できても必ずしも就労ビザが得られるとは限らず、雇用条件(年収、仕事内容)次第では、折角ドイツに引っ越してきて家まで借りても、書類審査ではじかれる可能性がゼロではないのです。
リスクを少なくドイツに転職するには?
こうした雇用主とのミスマッチ、書類手続き上のリスクを軽減するためには、就職エージェントを活用することが推奨されます。弊社Career Managamentはドイツで25年以上人材紹介業に携わっており、日本からドイツへの転職、第三国からドイツへの転職といった転職案件を多く手掛けている実績を持ちます。
特に、在独日系企業はアメリカやその他ヨーロッパで活躍した日本人人材を高く評価することが多く、アメリカで身に着けた英語力や欧米人相手のコミュニケーション、そしてビジネス知識などを用いて会社に貢献できる割合が高く、内定を勝ち取りやすい傾向にあります。
また、ドイツでの仕事はヨーロッパ全域を相手にビジネスを行うことが多く、ドイツ一国にとどまらない、ダイナミックな業務内容になると言えます。アメリカ、中国に次ぐ市場として大きなポテンシャルを持つEUを舞台に活躍するため、ドイツへの転職を考えてみてはいかがでしょうか?